車両保険の中身
対物賠償責任保険では自動車事故によって受けた自身の車両は補償されません。あくまでも事故相手の財物を補償するのが、対物賠償責任保険です。損害保険比較する場合は、この対物賠償責任保険と車両保険を比較するとその違いが分かりやすいでしょう。車両保険では、自動車事故による自動車への損害だけではなく、火災や風災、爆発、台風、洪水、高潮、盗難、イタズラなどによる損害も補償の対象となっています。これらの幅広い補償対象とする車両保険は、「一般車両保険」です。一般車両保険は、車両保険の中で補償対象が最も広いものとなっています。それに対して補償が最も狭いのがエコノミーです。
エコノミーでは、自動車同士の事故による損害のみが補償の対象となっています。またこの中間に位置する補償を備えているのがエコノミー+Aです。自動車保険の中でも車両保険は、特に保険料が高いものとなっています。補償だけを考えれば一般車両保険に加入することが望ましいのですが、当然保険料が最も高額です。逆に自動車保険の保険料全体を抑えたいのであれば、この車両保険の補償は最も乏しいエコノミーとするのもよいでしょう。他の自動車保険は被害者救済という観点から、補償を削ることは難しいと言えるからです。また、車両保険自体、加入にどれだけの意義があるのか検討が必要と言えます。例えば新車で購入した高級車であれば、車両保険への加入は必須と言えます。ですが例えば中古自動車で10年も型落ちしているような自動車の場合、車両保険は本当に必要でしょうか。もちろん、自動車事故によって受けた損害は補償することができます。
ですがそもそも、市場価値の低い自動車の場合、高い保険料を支払いって車両保険へ加入するよりも、自身で修理費用を負担した方が安くつく場合が多いです。このような観点からも、自身の自動車にとって本当に車両保険が必要なのかどうかを、しっかりと検証する必要があると言えます。自動車保険は保険料を抑えたくても、抑えることが難しい損害保険です。そのため保険料の圧縮を諦める方が多いようです。ですが車両保険は自動車保険の保険料の大半を占めており、補償を削除させることが可能です。車両保険の必要性をよく検証した上で、加入しておけば安心といった安易な発想で加入することは避けましょう。必要最低限で、なおかつ手厚い補償にするために、現在加入している自動車保険を見直してみましょう。